「ポケモンGO」に腹を立てる人について考える

ポケモンGOスマートフォンのゲーム「ポケモンGO」は、調査会社のヴァリューズによれば、7月22日の日本での配信後3日間で、1147万人が国内でダウンロードしたと推計されています。

テレビでは、「ポケモンGO」をしに街に集まって来ている人たちの様子に加えて、「ポケモンGO」が原因の交通事故やトラブル、ゲームのアイテムを収集できる「ポケストップ」の削除を希望する施設などのニュースが連日流れています。

すっかり旬の話題になっている「ポケモンGO」ですが、このゲームをする人たちに対して、Facebookその他で、強い怒りの声を発する人たちもいます。

そこで、この「ポケモンGO」に腹を立てている人たちを、アンガーマネジメント的に考えてみましょう。

最初に断わっておきますが、私は、「ポケモンGO」をするのもしないのも、大人は本人の自由、子どもは、保護者と本人の合意によると思っています。

「ポケモンGO」のどこに腹が立つのか?

まず、「ポケモンGO」に腹を立てている人たちは、どこに腹を立てているのか、目についた意見をまとめてみました。

・流行にすぐ踊らされる人たちに腹が立つ。自分の頭で考えられない、軽薄な人たちだと感じる

・子どもならともかく、40代以上の大人や、エグゼクティブ(上級管理職)までやっている。ゲームにうつつを抜かすなど、時間の無駄で、何のメリットもない。分別のなさに腹が立つ

・「歩きスマホ」が問題になっているのに、「歩きスマホ」そのもののゲーム。マナー意識や問題意識の低さに腹が立つ

・GPSを使ったゲームで、個人の位置情報が明らかになるのに、その危険性を理解していない。セキュリティ意識の低さに腹が立つ

・レアなポケモンを出すことで、多くの人を特定の場所に集めることができる。その危険性を理解していない

・神社その他の神聖な場所や学校など教育の場で、ゲームに興じることはふさわしくない。職場も然り。そういう意識のない人たちに腹が立つ。不法侵入などもってのほか

その他の理由も挙げられていますが、「ポケモンGO」に腹を立てている人たちは、やっている人たちを「程度が低い」と感じているようです。自分の頭で考えられない、大人としての分別がない、マナーやセキュリティの意識が低いと見なしているようです。

そういう「程度が低い」人がたくさんいることに対して、信じられない、気持ちが悪い、腹立たしいと言っています。

 「ポケモンGO」に怒っている人の「こうあるべき」

私たちは、自分の「こうあるべき(こうあるべきではない)」という考え、価値観と異なる現実(人、出来事)に対して、怒りを感じます。

「ポケモンGO」に腹を立てている人の「こうあるべき」は、「分別のある大人は、ゲームに興じるべきではない」「流行に飛びついたり、踊らされたりするべきではない」「マナーやセキュリティなどの意識を持つべき」ではないでしょうか?

逆に言うと、「私は、そんな程度の低い人ではありませんよ」「自分の頭で物事を考え、マナーやセキュリティの意識もあり、分別のある大人ですよ」ということを、自分に確認し、まわりの人にも伝えたいのかもしれません。

冷静に考えてみれば、世の中には、各人が「程度が低い」と感じる人も「程度が高い」あるいは「同じ程度」と感じる人もいるわけですから、わざわざ「程度が低い人は、程度が低くて腹が立つ」とアピールしなくてもよさそうなものです。

それなのになぜアピールしたくなるのか?
「ポケモンGO」が注目を集めているからでしょう。自分が「程度が低い」と思っているのに注目を集めているのが解せない、気に入らないので、わざわざ言いたくなるのかもしれません。

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