002怒りとは?
怒りは自然な感情
怒りは、喜怒哀楽の感情の1つで、ごく自然なものです。
怒らない人はいないし、怒りをなくすこともできません。
しかしながら、怒りは悪、怒る人は大人げないと躾られてきて、「自分は、怒ったりしません」と言う人もいます。
私が「アンガーマネジメント」のセミナーをやっていると言うと、人によっては「私は絶対怒ったりはしないので、そんなものは必要ありません」と、明らかにイラついた顔で、返してくる人もいます。
怒るのは指導、躾?
逆に、相手のために怒るのは正しい、怒ることが指導であり、躾だと思っている人もいます。
「上司や教師、親は、部下や生徒、子どもを怒らなければならない。相手がわからないときは、声を荒げたり、多少、痛い目にあわせないといけない。最近は、それを良しとしない風潮があるが、そうやって甘やかすと人はダメになる」、と思っている人もいます。
感情としての怒りは、ごく自然なものですが、しかし、それをそのまま相手にぶつけることが、指導や躾として有効かといえば、決してそうではありません。
人は、力で支配しようとする動きに対して、抵抗しようとします。一時的に身の危険を感じてやむを得ず従ったとしても、信頼にはつながらず、むしろ、嫌悪の気持ちが残ります。
「喜怒哀楽」の伝達手段
人にこうあって欲しい、具体的に何かしてほしいと思うとき、喜怒哀楽のどの感情を使って伝えることが多いかは、その人がこれまで生きてきた環境、人生によります。
たとえば、子どもがなかなか宿題をやろうとしないとき、喜怒哀楽、それぞれの伝え方は下記です。
喜:早く宿題をやってくれたら嬉しいな(ほめる、甘える)
怒:さっさと宿題をやりなさい(命令する)
哀:なんでいつまでも宿題をやらないの(泣く、いじける、非難する)
楽:さあそろそろ宿題をしようか(提案する)
「怒り」を、伝達手段として使いがちな人は、これまでの環境、人生の学びの結果であり、子どもも、同じように学ぶ可能性が高いです。
怒りの感情は自然であり、感じないようにはできませんが、感じたあとの行動はマネジメントできます。