003怒りは第二次感情
怒りにはわけがある
ここ1週間ほどを振り返ってみてください。あなたは、どんなことで怒りましたか?
何か、怒ったわけ、キッカケがあるはずです。
誰かの言動、自分の言動、何らかの出来事に対して、怒りの感情が生まれているはずです。
たとえば、待ち合わせの相手が、時間になっても来ない。連絡も入らない。
日時を間違えたか、場所を間違えたか、何があったのか、と不安になっていた。
そこに、本人がやってきたが、理由も言わなければ、謝りもしない。
心の器に不快な感情が溜まると……
怒りは「第二次感情」と言われています。
「第一次感情」は、不安、心配、つらい、苦しい、痛い、嫌だ、疲れた、寂しい、悲しい、ストレスなどの、不快な感情。
それらの「第一次感情」が、「心の器」に一杯になると、怒りという「第二次感情」が、溢れ出します。
先ほどの例だと、自分の不安だった気持ちに対して、相手が応えていない。それどころか、自分の不快な気持ちを増す言動をとっている。
私の気持ちをわかっていない。私の気持ちがないがしろにされた。
「第一次感情」をわかってほしい、伝えたいという気持ちが、怒りという「第二次感情」につながっています。
この「心の器」は、人によって大きさが違います。
小さくてすぐ一杯になる人もいれば、なかなか一杯にならない人もいます。
第一次感情を伝える
私たちは、「心の器」に第一感情(不快な感情)を一杯溜める前に、器の水を捨てる、すなわち、第一次感情を、うまく伝えることが大事です。
「心配したんだよ。どうしたのかなと思って」
「今度から、遅れるときは連絡してね」
という具合に、「私はこう感じた。こう思った」「私はこうして欲しい」と「I(私)」で伝えます。
第二次感情になると、「あなたが、遅れるのが悪い」「あなたが連絡しないのが悪い」と、「You(あなた)」への非難になり、「理由を言いなさいよ」と命令になります。
相手にとっては、第一次感情を、「I(私)」で言われたほうが、第二次感情を、非難と命令でぶつけられるよりもわかりやすいし、受け入れやすいのです。
第二次感情で「お前の心がけが悪い」「謝りなさいよ」と、言われても、場合によっては、相手が何を怒っているのかわからないこともあります。